Musicadentro

第138号 (28/06/2015)

ジメジメした梅雨らしい日々が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 今回はこの春〜初夏にリリースされた新譜を中心にお送りします。

アルバム・カバー

アーティスト名 / アルバム・タイトル (リリース年) レーベル名, レコード番号. (収録曲数)

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Nomadi / lascia il segno (2015) Nomadi, 3273227522. (全10曲)

結成からすでに50年を超えるベテラン・ロック・バンド Nomadi のオリジナルとしては約2年半振りとなる最新アルバム。前作が現メンバーによる再録ベストだったことから、3代目ヴォーカリスト Cristiano Turato (vo, g) を迎えての3作目となります。メンバーは Beppe Carletti (key), Cico Falzone (g), Daniele Campani (ds), Massimo Vecchi (b, vo), Sergio Reggioli (perc, vln, vo) の1999年以来不動のラインアップに前述の Cristiano を加えた6人となっています。分厚いキーボード・オーケストレーションをバックに力強く歌い上げるオープニングの "Non c'è tempo da perdere" からお馴染の Nomadi 節全開で、叙情的なギターとキーボードが絡み合う "Io come te" や、哀愁を感じさせるメロディを切々と歌い上げる "Figli dell'oblio" など、ポップでシンフォニックな彼らならではのイタリアらしいロックを聴かせてくれます。端正なピアノをバックにしっとりと歌い上げる "Animante" や、軽快なメロディのバックでオルガンが唸りを上げる "Tutto vero"、ストリングス系のキーボードが包み込むように盛り上げるタイトル曲 "Lascia il segno" など Beppe Carletti を中心とした多彩なアレンジが曲を盛り上げています。 初回盤のパッケージはバンドの活動年表と60ページに及ぶブックレットを封入し、バンド名がエンボス加工された化粧箱仕様となっています。
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Delirium / L'Era della Menzogna (2015) Black Widow Records, BWRCD 180-2. (全9曲)

2006年に再結成された'70年代前半に活躍した Genova 出身のロック・バンド Delirium のオリジナル・アルバムとしては約6年振りとなる最新アルバム。メンバーは初期からの Ettore Vigo (key, cho), Martin Grice (fl, sax, cho) と再結成時から加入した Fabio Chighini (b, cho) の3人以外は一新され、La Maschera di Cera のヴォーカリストだった Alessandro Corvaglia (vo) と Alberto Radius Band として来日経験もある Alfredo Vandresi (ds, perc, synth) さらに Michele Cusato (g) を加えた6人編成となっています。畳みかけるような演奏をバックに力強く歌い上げるオープニングの "L'inganno del potere" から叙情的なフルートと新加入の Alessandro のシアトリカルなヴォーカルを生かしたヘヴィなシンフォニック・ロックを聴くことができます。Jethro Tull を彷彿とさせる切り返しの多い "Il nodo" や、フルートのオブリガートをバックに切々と歌い上げる "L'angelo del fango"、ラテン調の軽快なヴォーカル・ナンバー "Fuorilegge" や、浮遊感のあるサックスが活躍する幻想的なインスト曲 "La deriva" など緩急のある楽曲を織り交ぜています。VDGGも顔負けのカオスティックなタイトル曲 "L'era della menzogna" やラストの叙情的なフレーズを紡ぎ出すフルートが活躍する10分を超える大曲 "Il castello del mago Merlino" など混沌と叙情の狭間を行き交う作風が完成の域に達しています。
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Levante / Abbi cura di te (2015) Carosello Records, 8034125844920. (全12曲)

1987年生まれの若手女性ヴォーカリスト Levante (本名 Claudia Lagona) の約1年振りとなるセカンド・アルバム。前作ではクレジットがなかったものの、今作では全曲作詞・作曲していることから生粋のカンタウトリーチェだと思わ れます。 メロトロンが怒濤のように押し寄せるオープニングの "Le lacrime non macchiano" からシンフォニックなアレンジをバックにドラマティックに歌い上げるイタリアらしい叙情的なポップスを聴かせてくれます。続く "Ciao per sempre" では一転して軽快な演奏をバックに囁きかけるような浮遊感のあるヴォーカルを楽しめます。幻想的なメロディをしっとりと歌い上げるタイトル曲 "Abbi cura di te" や、ギターのコード・カッティングをバックに軽快な歌声を聴かせるリズミカルな "Caruso Pascoski"、カンツォーネ時代を思わせるノスタルジックなメロディが印象的な "La rivincita dei buoni" など曲調の多彩で飽きさせません。クラシカルなピアノに乗せて母親とのデュエットを聴かせる "Finché morte non ci separi" や、叙情的なメロディを切々と歌い上げるバラード "Mi amo"、ラテン調の演奏をバックに軽快な歌声が魅力の "Pose plastiche" などアクセントとなる楽曲を要所に配した絶妙の構成になっています。 初回盤のパッケージは紙ジャケットサイズでスリットイン・タイプのデジブック仕様となっています。
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Conqueror / un'altra verità live Naxos may 16th 2014 (2015) Ma.Ra.Cash Records, MRC 049 CD+DVD. (CD全10曲, DVD全11曲) DVD+CD

2003年にデビューした若手シン フォニック・ロック・バンド Conqueror の5作目の "stems" 発売記念に行われたライブを収録した初のライブDVD&CD。メンバーは "stems" の録音時と同じ Simona Rigano (vo, key), Natale Russo (ds, per), Ture Pagano (g), Peppe Papa (b) の4人編成になっています。前半はオープニングの "Gina" に始まり、最新作の "stems" からの楽曲をタイトなリズムに乗せてクラシカルなフレーズを紡ぎ出すキーボードと叙情的なギターが彩りを添えるシンフォニック・ロックを聴かせてくれま す。 また、"False idee" にはアコースティック・ギターで Valerio Valenti (ac-g) がゲスト参加しています。後半では1stからのクラシカルなピアノが印象的な "Pensieri fragili" や、畳みかけるオルガンやオリジナルのフルートを置き換えた幽玄な音色のキーボードが活躍する2ndからの "No photo"、3rdからは怒濤の展開を聴かせるヘヴィ・シンフォニックの "L'ora del parlare" など4thアルバムを除く旧作から万遍なく選曲されており、入手が難しくなってきている初期の作品の曲も堪能できます。DVDに収録されている "Echi de verità" は収録時間の関係でCDには未収です。初回盤のパッケージは見開きのデジパック仕様となっています。

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Brönsøn / Qui nel baratro tutto bene (2015) RBL Music Italia, RBL059. (CD全12曲) 

ややハスキーな歌声が魅力の女性ヴォーカリスト Lara Martelli (vo) を擁する Roma 出身のオルタナ系ロック・バンド Brönsøn のファースト・アルバム。メンバーは他に Giorgio Maria Condemi (g), Pierfrancesco Aliotta (b), Vieri Baiocchi (ds) の4人で、曲はバンド名義で作詞は Lara が担当しています。ドイツ語のナレーションに続いて始まるオープニングの "Generazione" からヘヴィな演奏とアンニュイな雰囲気の Lara のヴォーカルの対比を生かした独特の世界観を漂わせています。ギターのコード・カッティングをバックに官能的なヴォーカルを聴かせる "Provincia" やブルージーなハード・ロックを聴かせる "Rec & Play"、幻想的な雰囲気を漂わせたバラード "Inverno" や初期の Blondie にも通じるキッチュな "Luna" など意外に曲調の幅も広く飽きの来ない構成になっています。ラストは叙情的なメロディを絞り出すように歌い上げるドラマティックな "Chimera" で締め括っています。また、パッケージ裏面にある収録曲順と実際の曲順は異なっている (2曲目と3曲目が逆) ので注意が必要です。初回盤のパッケージはデジパック仕様となっています。

 
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